脱走兵
Mar
2022
06

先日の朝日新聞の天声人語で「脱走兵」というシャンソンの曲のことが紹介されていました。
フランス、ボリス・ヴィアン作詞・作曲のこの曲、私たちのコーラスでも2009年の定期演奏会で歌った曲です。
徴兵を逃れることのできない男たちの苦しみ、そして大統領に宛てて脱走宣言文を送る男の姿を描いています。

♬大統領閣下 申し上げます
ここにあなたの手紙があります
これによると 月曜日までに
入隊するように 命じています
だけど私は おそらく人を殺すなんて出来ないでしょう
あなたに背く つもりではなく
あした私は 逃げ出すでしょう

大統領閣下 私の父は
ある日 遺骨で帰ってきました
それで母は 嘆き悲しみ
今では一緒に眠っています
そして兄は 長い捕虜で愛する妻を盗まれました
この手紙が 届くころには
多分私は 逃げてるでしょう

大統領閣下 おそらくあなたは
軍や警察に 命じるでしょう
脱走兵を 探し出すように
それがあなたの職務だから
武器を持たない男はすべて 国のためにならないからと
他人の血を 見るくらいなら
私は自分の 血を流すでしょう♬

1950年代に作られたというこの曲。
70年以上経った今も同じか〜い!!

ただ訳詞者が違うと歌詞も違う・・
新聞記事は
<血を流さなければいけないのなら/あなたの血をどうぞ(村上香住子訳)>で、

私たちが歌ったのは
<他人の血を見るくらいなら/私は自分の血を流すでしょう>でした。

誰の訳詞かはわかりませんが、今の心境は村上香住子さんの訳にあっぱれです!

血を流し合うことで一体何が生まれるのか。
覇権争いか何か知りませんが、生命より大事なものを見失って欲しくないです。

みんな脱走しちゃってください!!