今年も長野へ
Oct
2022
19

ここ何年か義兄が長野県の大町マラソンを走りに行くのを影で(つまりそばではない)応援しに姉や姪と便乗旅行(⇨◇)に連れて行ってもらってます。

今年は別所温泉に行ってきました。
最寄りの東部湯の丸ICは上信越道で比較的近いので出発もゆっくり。
何故だかこの日の午前中はトイレも近くて、トイレ休憩も数回。
結局最初の目的地、海野宿に着いたのはもう11時過ぎ。

この駐車場の端っこのベンチで軽くおやつタイム。
しっかりランチをすると夜のご馳走に響くでしょうから・・・
遠くの山を眺めながら、久しぶりの晴れた秋空のもと、気持ちがよかったです。


最初に訪れたのは「水村喜一郎 美術館」
この右端に道路があって、そこを挟んで先ほどの駐車場があります。
こじんまりとした美術館です。
貼り紙があったので「ただいま閉店してます・・」とか書いてあるのかと思うくらい静かな雰囲気でした。
貼り紙には「入館時はマスクの御着用をお願い致します。」と書かれていて、ドアの左横には「開館中」という木札が掛かっていました!
上がお住まいのようです。

中に入ったら二人の男性が。
こじんまりとした館内にはかなり大きい額もあり、たくさんの油絵が展示されていました。
中程にある受付で入館料500円(シニアは400円でした)を払い、ご年配のほうの方がもしかしたら画家さんかなと思い、
「ご本人ですか?」と伺ったら
「そうです」とのこと。ご一緒の方は息子さんでした。
東京の下町出身とのことですが、こちらが川越ナンバーの車で来たのを見ていたらしく、懐かしげに川越の話をし始めました。
「水村」という名字は川越の小堤という所にしかいないそうです。
父親だかその上の代だかで破産(?)してしまったので東京の墨田区で心機一転したそうです。
そんな話を伺いながらいただいたチラシの裏面を読んでいたら、一番上の行に
「1946年東京都墨田区向島で、とび職の長男として生まれる。9歳のときに高圧電線に触れ両腕を失うが、画家を志し、口に絵筆をとり画才を発揮、その後、障害を克服し画家として自立する。」
と書かれていました。
「え?さっきお話したけど両手がなかった?」
と思ったくらい全く気づきませんでした。
改めてお話をしたときは長袖のシャツの袖を両方のポケットに入れていたのでごくごく自然だったのですね!

展示品の最初にはまだ子供の頃の作品があり、確かにそこには
「まだ手を失う前の作品」と書かれていました。
つまり9歳より前の作品ですが、それがまた上手い!!

生死を彷徨い生還して現在に至るまでのご苦労はもちろんわかる由もありませんが、力強い作品が物語っていました。

ここで1時間くらい費やしてしまいました。
その間、姉の携帯に義兄から電話。
「あら、もう走ったのかしら・・」
という具合にこっちはのんびり。
でも「もしもし」という声が元気そうだったのでとりあえずはよかった!
今回は20キロ時点でリタイアしてバスで拾ってもらったそうです。
今年は走り込んでいなかったから、とのことでした。
とはいえ、もう後期高齢者。
20キロを走るだけでも頭が下がります。


そして車を第1駐車場に戻して海野宿を散策しました。
北国街道 海野宿は歴史を感じる静かな佇まいです。


途中、さすがにお腹も空いてきて、でも今から(すでに3時)しっかりしたお昼を食べるには夕飯のことを考えて「古民家カフェ麦」というところのこのアイスバーが目に留まり寄りました。

中に入るとこんな感じ


そしたらここに先ほどの水村喜一郎氏の竹紙絵の額が2枚飾ってありました!
こちらの方が購入されたのでしょうね。
油絵とはまた違って竹で作った紙に描いているのでかすれた感じも味わい深く私はとても好きでした。
ここでまた出会えるとは。


私は抹茶小豆というフルーツアイスをチョイスしました。
手作りなので甘過ぎず、上品なアイスでした。

本当はこの後、前山寺や無言館に寄って宿泊先の「花屋旅館」に行く予定でしたが、いい加減いい時間になってしまったので、一路旅館へ向かいました。

でも向かっている途中、
こんな杉林を見つけ
「ちょっと歩いてみない?」
ということになってその辺に車を止めて歩きました。

それでここからが悲劇の始まり・・
私が歩いていて、ふと振り返ったときにグキッと左足首を捻ってしまいました。
大した捻りではないと思ったのですが、姪が
「とにかくすぐ冷やした方がいいよ」と言って
たまたま水道の蛇口が2カ所ほどあったのを見つけて捻ってみたけど、こんな山奥、いつ誰が使うかもしれない蛇口、流石に元栓が閉められているようでした。

近くにドラッグストアはないかとネット検索しましたが遠そうだったので、旅館に行けばなんとかなるかもと、足を引きずりながら車に乗り込みました。
「おばさん、今日は温泉はあまり良くないかもよ!」
「え〜!温泉が楽しみできたのに・・・」
「とにかく先ず冷やしてそれからだね」




着いた旅館は100年もの歴史がある大正浪漫の世界。
なにしろ国の登録有形文化財建物という。


部屋に行くまでの渡り廊下から見た中庭。


部屋に行く最後の階段。

この格子戸を開ければ我々の部屋。
写真を撮り忘れましたが、開けると正面がトイレ。
その脇が洗面台。
左に行くと鍵がかかるドアがあって、二間続きの部屋があります。

で、何が大変て、この急な階段の上り下りが痛めた足に堪えます。
宿の人に事情を話して氷をいただきました。
タオルで包んで足首に当て、そこをまたタオルで固定。
食事に行くときはその上からビニール袋を履いてサンダルで。

食事中、氷も解けて来て袋の中でチャポチャポ。
まったく・・・


これが夕食の献立表

鮎の甘露煮の前に牛肉のステーキも特別注文したようです。

もうこれ以上は無理です、というくらいお腹に納めました。

結局温泉には浅くなった湯舟のところに身体を横たえ、左足を外に出して・・というとんでもない格好で入りました!
ほとんど他のお客様はいなかったのでね。

氷を巻いて寝るわけにはいかないし、と思っていたら姪がフロントに行って湿布をペラっと1枚GETしてきてくれました!
おかげで翌朝は少し歩き方も変化したような気がします。
前日ゆっくり入れなかった温泉にしっかり浸かってきました!

翌朝は曇り空。
先ずは私の足の湿布薬をドラッグストアで買い求めてから目的地へ。
前日行けなかった前山寺。
またまた階段!

「三重塔」
普通の塔にはある窓、扉、廻廊、勾欄がありませんが、全体が調和しているので「未完成の完成の塔」とも呼ばれているそうです。

見事な茅葺屋根の本堂。

前山寺を後にしました。


この日は姉の学生時代の友人が上田市に住んでいるとのことで事前に連絡を取り、一緒にランチでもしましょうということで玉村豊男のワイナリー「ヴィラデストカフェ」で待ち合わせをしました。
左側は玉村豊男のイラストが描かれたグッズなどのSHOP
そのまま右奥へ進むとカフェ&レストラン

座った席の窓から見える葡萄畑。
玉村豊男氏が来る前は左側のような森だったそうです。



前菜
南仏風野菜のスープ、バジル風味


主菜
千曲川サーモンのハーブソテー、アンチョビバターソース


デザート
信濃くるみとりんごのヌガーグラッセ、ぶどうのソルベ


器もおしゃれで近隣で採れる新鮮な野菜や自家農園のハーブ、地元の肉や魚・・といったコースでした。
どれも美味しかったです!!

ゆっくりお喋りをしながら食べているうちに雨が降り出してしまい、食後は傘を差しての散歩になりました。
見事なハーブ畑でした!


今回の旅では「全国旅行割」とやらの恩恵を初めて受けられました!
宿泊費が5,000円ほど戻ってきて、長野県内で使えるクーポン券も3,000円分いただきました。
ワクチン証明書と保険証か運転免許証を提示して。


また来年も行けるかな〜
お義兄さん!これからもせっせと走り込んで体力づくりに励んでください!!

そして何より姪のMちゃん、杖をついたふたりの婆さんの面倒を文句も言わず見てくれてありがとうございましたm(__)m

足首を痛めて杖を頼って歩くことの不自由さ、思うように歩けず焦る自分。
少しは他人の痛みも知ることができた旅でもあったのかな。

これにて旅日記終了